コーチングの技術―上司と部下の人間学
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先ずは教えること |
若い技術者君と仕事をしたり、彼らに勉強を教えたりすることがあります。
不足している能力があれば、「○○するといいよ」とか「△△読んでみるといいよ」とアドバイスします。
でも、○○や△△はなかなか実行されない。
実行されないから、なかなか能力が上がらない。
○○したり、△△を読んだりする能力が全くないかというとそうでもありません。
ぼくの時間の余裕があるときに、じっくりと○○を教えればできるようになるんです。
△△も一緒に説明しながら読めば、理解できるようになるんです。
やる気の問題かというと、そうでもない。
一応は○○に取り組んでみているようです。△△も本を買ったり、コピーしたりしている。
でも自力でできないんですね。
自力で取り組むまでの「基礎」がないんだと思うんです。
だから、アドバイスだけでは進展がなかったんです。
この本にこんなことが書いてありました。
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仕事のやり方を知らない人にコーチングはできません。
知らない人には、ティーチング(教えること)が必要です。
まず仕事の仕方を教え、組織のルールを教え、本人が目標を持ったときに初めてコーチングが可能です。
本来マネジメントとは、組織を維持するための「統率する行為」を指します。
そのためには、指示・命令が必要となる場面がたくさんあります。
ですから、コーチングを導入するということは、リーダーが統率をあきらめ、手放すことではありません。
明 確なマネジメントが存在する組織にこそ、コーチングは活かされるのです。
逆に言えば、明確な枠組みの存在しない環境では、コーチングは機能しないのです。(44p)
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最近は学校でも職場でも、厳しく教える、ということに臆病になっているように思います。
生徒や若い人の自主性を過大に認めようとするために、教えることが軽んじられている。
でもそれって、生徒や若い人たちの自主性を返って阻害しているんじゃないか。
誰かからもらうアドバイス、ちょっと見つけたヒントを活かすことができない。
そういう人間になってしまったとしたら、自主性どころじゃありません。
指示待ち人間はこうして作られたんじゃないかって、ぼくは思うのです。
先ずは教えること。
その後に、自主性を尊重していく。
それが順番なんじゃないかと思います。
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本物です |
コーチングのスキルを紹介する本は、世に溢れていますが。
この本で提示されていることは、著者が実践していることだと思います。様々な参考文献からの引用も、単なる継ぎはぎではなく、著者が完全に消化してものにしている感がします。
コーチングの企業における現状認識も、的確でフェアです。
以前から、「聴き方」「親子のコミュニケーション」等に造詣が深い著者ですが、コーチングをも取り込める、奥行きのあるバックボーンを感じます。
流行のように感じさせる、コーチング本の山の中で、本物と言える1冊です。
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誰でもコーチ |
大学でコーチングを学んでいたこともあり、あらためて勉強してみようと思い、手に取りました。
大学では、コーチングの基礎の基礎しか学ばなかったので、
この本は、基礎を学ぶのには、最適でした。
特に、セルフコーチングの章!!
他人をコーチングする前に、自分をコーチングしてみる必要性に気がつきました。
ただ、最後の章に、セルフコーチングのことが書いてあったので、
途中で息切れしたように、実践的であったものの、物足りなさを感じてしまいました。しかし、新書だから致し方ありません。
でも、セルフコーチングを実践してみようと思います。
他人をコーチングする前に、自分をコーチングしていかなければ、
他人のコーチングなどできない、と、全体ではそんなことを感じさせてくれました。
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手軽な入門書 |
コーチングなるものを知る手始めとして、よい教科書になるだろう。
一通りは詰め込んで全体像をわかるようにしてあるし、新書であるのも手軽でよい。
本書は基本的にはビジネス場面を想定して書かれてあるが、コーチングそのものはさまざまな領域で応用可能である。
論理療法や解決志向と重複するところに親しみを感じたが、治療法ではなく指導法としてより洗練された姿なのだと思う。
人と関わらない人はいないのであるから、実践的、具体的であり、知っておいて損はないテクニックだろう。
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コーチングを単なる技術にしないために |
どうもハウツー書というと、そこに述べられているテクニックばかりに関心が偏ってしまう。それで、コーチングも一時的な流行でもてはやされるだけなのか?いや、実はコーチングは人を指導する立場にある人、そして何よりも自分自身の思考と行動を良い方向に導こうとする人なら誰でもしていることを明晰な実践の理論として示したものであろう。具体的な要領は直接に本書に当たればいい。この本は丁寧な叙述で十分に読みやすい。それよりも、著者が言う「コーチングマインド」についての考え方をあえて強調しておきたい。組織にコーチングマインドが浸透していないところでは、いくらコーチングのハウツーを個々の者が習得しても、それを活かすことは難しいという考えを。組織の真の活性化をめざすなら、上に立つものが率先して、組織の体細胞自体を換えるくらいの覚悟がいるのである。この本の根本にもそういう考えが底流していることを忘れてはならない。



